国語辞典を何冊か持っている私ですが、一番思い出に残っているのが、この角川国語辞典なのです。
この辞典、すでに20年ほど経ています。表紙に箔押しされていた文字も消え果て、ただの黒いのっぺりとした表紙です。
この表紙、よくよく見ると、「昭和60年度 ○○小学校卒業記念」と書かれています(この文字も箔押しだったのですが、箔はきれいに消えました)
そう、私自身が小学校を卒業したときにもらった辞典で、しかも、卒業式に卒業生代表として受け取った辞典なのです。第2次ベビーブーム真っ盛りのころ、学校もマンモス校で、たくさんの人たちの前で緊張しながら受け取った記憶があります。
私の父は「国語辞典はぼろぼろになるまで使い倒し、その分言葉を覚えるものだ」という考えを持っていました。私もそれを受け継ぎ、辞書とはぼろぼろになるまで自分の傍らで使い倒すものだと考えていました。だから、この国語辞典は中学・高校の間、本当に使い倒しました。
いま、10冊以上国語辞典を持っている「国語辞典マニア」となりつつある状態でも、やはり、この一冊は特別で、辞書を積んである場所とは別においてあるのです。

表紙を開くと、このように和紙で修復した後もあります。これも、愛着のある印。
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